【オフショア開発失敗事例】3ヶ月のスケジュール遅延後の未完了
2022/10/20
オフショア開発の基本納品時期から3ヶ月のスケジュール遅延があり、納品が未完了になった事例です。
こちらの事例は、オフショア開発会社Cが開発開始時に予定していた納品時期を6ヶ月経過しながら納品の時期が未定だったプロジェクトです。
お客様はプロジェクトの見通しがつかないためオフミツに問い合わせをしてきました。
失敗の解説
システム開発のスケジュール遅延は、発生することは少なくありません。しかし、3ヶ月間でオフショア開発会社Cの改善がなく、プロジェクトの予定を大幅に修正したプロジェクトです。
原因として、開発要件に曖昧な部分や不備が多く、スケジュールの見積もりが甘かったこと、またスケジュール遅延が発生した場合に発生する違約金などの条項が決められていなかったためです。
プロジェクトの主な問題
オフショア開発会社では、スケジュール遅延に対する認識が甘い場合があります。
スケジュールに余裕がないプロジェクトでは、事前にスケジュールが遅延した時の対応や遅れないようにする仕組みの共有などをしていなかったことで、大きなスケジュール遅延につながりました。
具体的な対策方法
このプロジェクトでは、契約前にスケジュール遅延についてどのような責任が発生するか決めていなかった事が大きな原因の1つです。
しかし、前述したようにシステム開発ではスケジュール遅延が発生することは多く、また依頼者側の仕様変更や情報共有ミスでスケジュールが遅延するなど様々な原因が考えられます。
そのため、スケジュールが遅延した場合の責任が発生することはオフショア開発会社が拒否する可能性もあるでしょう。また承諾したとしても、遅延時の原因に条件があったり、責任が増えた分が費用に上乗せされるなど、本来のスケジュール遅延に対する前向きな対応になることは期待できません。
そこで、スケジュールについて具体的な詳細を随時共有し、定期的に打ち合わせを行うこと、そして遅延が発生した時点で、遅延が回復するまで開発者の人数を増やすなどの条件が現実的な落とし所になります。
その後のプロジェクトの経過
問い合わせをしてもらった時点で、プロジェクトの立て直しに使用できる予算は決まっていませんでした。
なぜならオフショア開発Cに支払う納品時の支払いが残っていたためです。
どの程度の金額を納品時に支払うかによって、プロジェクトの予算が決まるとのことです。
またお問い合わせ当時は、どの程度の未開発の機能が残っているか不明のため、プロジェクトを引き継ぐオフショア開発会社に見積もりを取得することもできませんでした。
そこで、まずは現在の開発の完了状況の調査から始めました。
おおよそ半分程度の開発が完了していること、テスト未完了の部分などを調査して、工数を算出しました。
まずは調査が終わった段階で、お客様に調査結果をお渡しし、その調査結果をもとにオフショア開発Cと話し合いを行い、開発費用の支払いを減額する事が出来ました。
続いて、新しいオフショア開発会社を見つけるため費用に合う類似のプロジェクトの実績を持つオフショア開発会社から復習の見積もりを取得しました。
そして、スケジュール遅延に関する要項の説明、また1週間に1度スケジュールの打ち合わせをすること、スケジュールの進捗を共有ツールで共有することを承諾してもらい、新しいオフショア開発会社で残りの開発を完了しました。
総合的には当初の開発スケジュールからかなり遅れた結果となりましたが、なんとか開発を完了する事ができたプロジェクトでした。